傷病手当金の申請書に会社が証明しないとき
会社には傷病手当金の申請書に証明する義務があります
全国健康保険協会(協会けんぽ)の傷病手当金支給申請書の3枚目は「事業主記入用」となっていて、会社は申請者の求めがあれば記載する義務があります。しかし、傷病手当金のご相談を受けていると、「会社が証明してくれなくて困っている」というご相談を頂くことがあります。
傷病手当金の初回申請では事業主の証明が必要であり、4枚1組の書類をすべて揃えて提出する必要があります。もし、揃えることができなければ傷病手当金が支給されませんので、病気やケガで長期間会社を休み給料がない状況が続いている方にとって大きな問題です。
傷病手当金の初回申請では事業主の証明が必要であり、4枚1組の書類をすべて揃えて提出する必要があります。もし、揃えることができなければ傷病手当金が支給されませんので、病気やケガで長期間会社を休み給料がない状況が続いている方にとって大きな問題です。
退職していても証明の義務が会社にある
傷病手当金の事業主の証明は労働者が退職していても在籍していた期間分についての証明の義務が会社にあります。
会社が傷病手当金を支払うわけではない
会社が事業主の証明を拒む理由はケースによって異なりますが、傷病手当金を会社が支払うものと誤解しているケースがわずかですがあります。傷病手当金は会社が支払うものではなく、加入している健康保険から支給されます。したがって、会社が証明しても利益が減るわけではありません。この場合の対処は簡単で、会社に対して制度の説明をして誤解を解消すれば良いです。
書き方が分からない場合
中小企業の場合、今まで傷病手当金の申請に携わったことがなく事業主の証明をしたことがないことも珍しくありません。そもそも、傷病手当金の制度自体を知らない方も多いです。
この場合は、会社に社会保険労務士が傷病手当金の専門家であり、会社に代わって記入ができることを教えてあげることが考えられます。他には、事業主記入用の用紙の下部に「記入例」が記載されているのでそういったことを教えるのも良いでしょう。
この場合は、会社に社会保険労務士が傷病手当金の専門家であり、会社に代わって記入ができることを教えてあげることが考えられます。他には、事業主記入用の用紙の下部に「記入例」が記載されているのでそういったことを教えるのも良いでしょう。
労使間のトラブルが影響している場合
労働者と会社との間でなんらかのトラブルがある場合、嫌がらせで会社が証明を拒否することがあります。この場合、労使間のトラブルの解決を図ることが方法の一つとして考えられますが、トラブルの解決が簡単ではないケースもあるので、専門家である社会保険労務士や弁護士等にトラブル対処のアドバイスを受けつつ、傷病手当金の事業主の証明も求めていくことが考えられます。
労災申請をしている場合
パワハラや長時間労働が原因で労働者が精神疾患等を発症した場合は労災申請ができます。ただ、労災申請がなかなか認められない現実もあって、労災申請と傷病手当金の申請を両方することがあります。
この場合、会社は傷病手当金の事業主の証明をすることによって、労災の認定に影響するのではと不安になり、事業主の証明を拒否することがあります。
この場合、会社は傷病手当金の事業主の証明をすることによって、労災の認定に影響するのではと不安になり、事業主の証明を拒否することがあります。
年金事務所への報酬の届出内容に虚偽がある場合
会社は人を雇用したとき、報酬(給料)をいくら支払うかを年金事務所へ届けます。その内容に虚偽があると、事業主の証明をすることで虚偽が発覚する可能性が高くなるので記入したがりません。
この場合は、年金事務所へ正しい報酬(給料)の額を申告して訂正を求めていくことが考えられます。
この場合は、年金事務所へ正しい報酬(給料)の額を申告して訂正を求めていくことが考えられます。
社会保険労務士へ申請の代行を依頼
社会保険労務士は法律により傷病手当金の申請代行を行うことが認められています。上記などの理由により会社が証明してくれない場合、その他、初めての申請で分からないことだらけという場合や会社へ連絡するのが難しいという場合は、申請代行を依頼するのは有力な方法です。